ご注意
この記事には、AI(ChatGPT)「ジピティー」との会話形式を含みます。
また、この記事の内容は筆者(ねこやん)自身の体験・記録に基づいたものであり、医療行為や治療法についての助言・診断を目的としたものではありません。医療に関する判断は、必ず主治医などの専門家にご相談ください。
※この記事は前後編の後編(入院生活その2)です。
ステロイド治療が始まり、私の体調も少しずつ回復していきました。
今回は、入院後半の生活や、そこで出会った人たちとのエピソード、
そして退院に向けた流れや、入院中に感じたこと・学んだことをお届けします。
入院中の血液検査結果もまとめて表にしましたので、参考にしてみてください。
病室の環境変化
その頃、私がいた「実質個室」だった病室に、夜中に急患の方が運ばれてきました。
大部屋は、ベッドをカーテンで仕切っているだけなので、
患者さんと看護師さん、医師のやりとりはすべて丸聞こえです。
(もちろん、私の話も全部聞こえているわけで…)
その患者さんは、お腹の痛みを訴えていて、とてもつらそうでした。
救急搬送されてくるほどだから、当然ですよね。
声ややりとりから察するに、その方は「がん」で抗がん剤治療中のようでした。
同じ日には、胆管炎で入退院を繰り返しているベテラン患者さんも入院してきて、
それまで静かだった病室が、あっという間に3人の賑やかな空間に。
眠れない日々
看護師さんの優しさ
病院の消灯は夜9時ですが、そんな時間に眠れるわけもなく。
ましてや、ステロイド(薬剤名:プレドニン)の副作用で、全く眠れない状態が続いていました。
大部屋の個室状態だった頃ですら眠れなかったのに、
他の方の気配がカーテン越しに感じられるようになって、さらに寝付けなくなっていきました。
本来、消灯後はテレビも消すのがルールですが、私はハンガーとタオルを使って、
光が隣の方や向かいの方に漏れないように工夫して、夜中もテレビをつけていました。
巡回のとき、そんな努力をしてまでテレビを見ている私を見た看護師さんが、
何も言わずに「うんうん」と頷いてくれたこと――今でも忘れられません。
看護師さん、ありがとう。
眠れない薬vs眠れる薬
オリンピックをやっていた頃はまだ良かったのですが、それも終わると…
深夜0時頃から朝のニュースが始まるまで、ずーっとテレビショッピングばかり。
この深夜0時からが、本当の闘い。
全然眠くならないので、5~6時間の「真っ暗な退屈タイム」が続くのです。
眠くないのに「寝なきゃ」と思う、その時間が本当に苦痛でした。
昼間に寝られたら良かったのですが、なぜか一向に眠気が来ない。
看護師さんがステロイド(薬剤名:プレドニン)を渡すときに冗談で
「はい、眠れなくなるお薬です〜」なんて言っていましたが、
私には、本当に“眠気を奪う薬”のように感じられました。
結局、数日我慢したのち、限界に達して、
眠剤(ゾルピデム酒石酸塩錠)を2錠に増やしてもらうことにしました。
その人の体重などにもよるでしょうが、私の場合、この薬は、飲んでから30分ほどでスーッと眠りにつき、だいたい4時間ほどで目が覚めます。
私はそれを踏まえて、いつも0:00頃に服用して、4:30頃に起きるというリズムを作りました。
おかげで、一番つらい時間帯に眠れるようになって、心が少し落ち着きました。
とにかく伝えてみる
今にして思えば、これもやっぱり…
「もっと早く看護師さんにお願いしておけばよかった」
と思います。
繰り返しになりますが、
入院中は、自分の体調や希望を遠慮せず、ちゃんと伝えることが本当に大事です。
「伝えても無理かもしれない」
「迷惑をかけたら悪いかも」
そんな風に思わず、とにかく伝えてみること。
それが、自分を少しでも楽にしてくれる近道だと思いました。
そんなこんなで過ごしているうちに、
今度はすい臓に何か病気がある方が新たに入院されてきて、
病室はついに満室となりました。
「苦しみとの闘い」から「暇との闘い」へ
他の患者さんたちは、だいたい3~4日、長くても1週間ほどで退院していきます。
そんな中で、ずっと入院している私は、すっかり「古株」になっていました。
何人もの入院と退院を、見送る側になっていったのです。
入院から10日ほど経った頃。
薬のおかげで、吐き気も頭痛も、お腹のかゆみもなくなり、夜も眠れるようになっていました。
すっかり元気を取り戻した私は、病棟内をスタスタ歩き回り、
敷地内のコンビニやカフェに行っては、お菓子を買い込んで戻ってくる毎日。
病院の寝衣を着ていなければ、たぶん誰も私を病人だとは思わないかもしれません。
(※肝臓の数値はまだ異常値です)
元気になってくると、今度は「苦しみとの闘い」から、「暇との闘い」へ。
もう、時間がとにかく長い。Wi-Fiもない。
(え?今どきWi-Fiないの?と思って、退院時のアンケートに「Wi-Fi希望」と書きました…)
テレビはテレビカードを買わなければならず、当然お金がかかります。
お店を休んでいる間は収入もないので、できるだけ節約したいところ。
となると、頼れるのは本。でも、家族や友人が差し入れてくれた本はすべて読み尽くしました。
暇、ひま、ヒマ…
あー、帰りたい…
退院に向けた課題
やっと退院!
入院から約2週間が経った頃のこと。
血液検査の結果を持ってきてくれた担当医が、こう言いました。
「血液検査の結果は順調です。このままいけば、1週間ごとにプレドニンを5mgずつ減らしていき、20mgまで下がれば退院できます」
(※プレドニンの減量と退院時期については、人によって異なります。)
――やっと、「退院」という言葉が聞けた。
その瞬間、ほっと肩の力が抜けました。
ステロイドの副作用
ステロイド(薬剤名:プレドニン)は、最初30mgから始まりましたが、
順調に25mg、そして20mgまで減りました。
退院が見えてきた頃、医師からあらためてステロイドの副作用についての説明がありました。
- 感染症にかかりやすくなること
- 骨粗しょう症になりやすくなること
(※他にもたくさんの副作用がありますが、説明されたのはこの2つでした)
歯科口腔外科を受診
顎骨壊死(がっこつえし)…
私はステロイドを長期で飲むことになるため、
いずれ「ビスホスホネート」という骨粗しょう症予防の薬を飲む必要があるとのこと。
ただし、この薬にも副作用があるのです。
それが――
顎骨壊死(がっこつえし)
(※顎骨壊死とは、抜歯などの後に菌が感染し、顎の骨が壊死してしまう症状。極めて稀だけど、重い症状になることもある)
「えっ……顎の骨が壊死…!?」
名前の響きだけでも、かなり怖い。
5本も抜歯!?
担当医の話では、確率としては1万人に1人とのことですが、
「もし抜いた方がいい歯があるなら、今のうちに抜いておいた方がいい」と勧められ、
すぐに歯科口腔外科の予約を入れてもらいました。
検診の結果、すぐに抜かないといけない歯はなかったものの――
- 状態の良くない奥歯:2本
- 虫歯になりやすい親知らず:3本(※1本は20代で抜歯済み)
ということで、
「この5本は抜いておいた方がいいです。どうしますか?」と言われました。
「えっ……5本も!?心の準備が…怖すぎる…」
親知らずはまだしも、奥歯はまだ必要だし、入れ歯にはしたくない…。
結局、勇気が出なくて、「少し考えさせてください」と答えを先延ばしにしました。
諦めの悪い私
「なんで私がこんな目に…?」
肝臓が悪いだけなのに、なんで歯のことでまで悩まないといけないの…。
ステロイドの副作用だけでも大変なのに、
その副作用のために飲む薬の、さらにその副作用で悩まされるなんて――
夢にも思っていませんでした。
悩みに悩んで、私が出した結論は……
「先延ばしにする」
いい歳して何やってんの、って思うかもしれませんが、
正直、肝臓の治療だけでも受け入れるのに精一杯なのに、今はこれ以上無理。
ふと思いついた私は、先生にこう言いました。
「先生、私、骨だけは丈夫なんです。捻挫はよくしてきたけど、骨折もヒビも一度もないんです。だから、骨粗しょう症の薬、できれば飲みたくないです…」
先生、呆れてたかもしれません(笑)
でも、優しい先生だったので、
「それなら骨密度検査をして、大丈夫そうならしばらくは骨粗しょう症の薬は使わずにいきましょう」と言ってくれました。
検査の結果、骨密度はなんとか大丈夫な範囲内。
医師の判断でビタミンDの薬(エルデカルシトール)を処方されました。
迷惑をかけてしまってごめんなさい。
でも、本当に無理なら要求は通らなかったはずなので、やっぱり――
自分の希望は、ちゃんと伝えてみることが大事!
そう思えた出来事でした。
近づく退院と仲間意識
退院も近づいてきたその頃、おそらく私と同じ病気だろうな、と感じる方が入院してきました。
聞こえてくる会話から、その方は毎年夏になると再燃しては入院し、ステロイドパルス療法を受けているのだそうです。
今回も定期検査で異常が見つかり、急きょ入院した様子。準備も何もできておらず、とても不便そうでした。
その方は血管が細いらしく、点滴のルート確保に看護師さんたちが何度もチャレンジしては「また失敗してしまって…すみません」と申し訳なさそうに謝っていました。
けれど本人は慣れているのか、「いいよ、いいよ、何回でもどうぞ」と、穏やかに応じていました。
その方は、担当医にこんなふうに訴えていました。
「毎年毎年、夏になると入院…。やっぱり疲れが関係するんでしょうかね?
こう何度も入院となると、私も生活がままならなくて…」
でも医師の返事は、
「難病はね、原因が分かっていないんですよ。…なんとも、ねえ」
というものでした。
——分かります。
難病は現時点では完治しない病気ですもんね…。
病気になっても、ステロイドを使えば一時的には良くなる。
でも、その後に副作用が出たり、再燃したりする。
それでも生活は続いていく。だから働かないといけないし、
そうすれば疲れもストレスもたまる…。
「原因が分かっていたら、難病じゃない」
それもそのとおりだと思います。
もっと研究が進めばいいけれど、患者数が少ないと、なかなか進まない現実もあります。
声には出せなかったけれど、うんうん、と静かにうなずきながら、私は心の中でその方の会話に加わっていました。
顔も見えないカーテン越しなのに、不思議と仲間意識のようなものが芽生えた瞬間でした。
ステロイドもようやく20mgになり、その後の血液検査で肝臓の数値はほぼ正常値まで下がっていました(わずかに異常値あり)。
「よかった。やっとここまで来た」
ホッと胸をなでおろす気持ちになりました。
そしてようやく、担当医と「いつ退院にしますか?」という相談ができるところまできたのです。
入院中の血液検査結果
ステロイド(薬剤名:プレドニン)の服用が始まった8月16日以降、血液検査の数値は少しずつ改善していきました。
私の場合、ASTやALTの数値に明らかな変化が見られました。以下にその推移をまとめました。
※病気の状態や薬の効果は人それぞれ違います。あくまで私自身の記録ですが、入院中の変化を知る一例としてご覧ください。
項目\日付 | 8/10 | 8/14 | 8/16 | 8/19 | 8/22 | 8/26 | 8/30 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AST | 379 | 365 | 229 | 90 | 34 | 22 | 16 |
ALT | 422 | 329 | 273 | 184 | 93 | 44 | 23 |
ALP | 151 | 132 | 114 | 96 | 79 | 75 | 55 |
γ-GTP | ― | 75 | 55 | 47 | 40 | 34 | 27 |
T-Bil | 2.6 | 1.6 | 1.0 | 0.8 | 0.7 | 0.6 | 0.5 |
D-Bil | 1.6 | 1.2 | 0.8 | 0.6 | 0.5 | 0.4 | 0.3 |
ステロイド量 | - | - | 30 | 30 | 25 | 25 | 20 |
※各検査項目には基準値(参考値)があり、それを超えた異常値は 太字 で表示しています。
※略称と基準値(参考値)の説明(ジピティー(AI)作成)
・AST(GOT):肝機能の指標。基準値 13~30 U/L
・ALT(GPT):肝機能の指標。基準値 7~23 U/L
・ALP:肝臓・胆道・骨の状態に関係。基準値 38~113 U/L
・γ-GTP:胆道・アルコール性肝障害などに関連。基準値 9~32 U/L
・T-Bil(総ビリルビン):胆汁の流れや肝機能の指標。基準値 0.4~1.5 mg/dL
・D-Bil(直接ビリルビン):肝機能や胆道の詰まりを反映。基準値 0.0~0.4 mg/dL
(※数値や基準値はあくまで私が調べた範囲のものです。判断は医療機関にご相談ください)
ステロイドを服用する前は、ウルソデオキシコール酸という内服薬だけでした。
ステロイドを服用して以降は、特にAST、ALTの数値が急激に減っていきました。
副作用が強く不安でしたが、少なくとも私には改善の兆しが見られる薬でした。
※本記事に記載の検査数値や薬剤名などは、筆者の入院当時の記録に基づくものです。医療情報としての正確性を保証するものではなく、あくまで個人の体験記としてご覧ください。
ねこやんとジピティーのあとがき

入院中って、病気そのものの治療も大変なんだけど、
それ以上に「眠れない」とか「暇すぎる」とか、
そんな小さなつらさが積み重なって、けっこうしんどかった…。

うん…。
治療が始まるまでの不安とか、吐き気や頭痛、皮膚のかゆみ…。
あの時のつらさも、相当だったと思う。
病気の治療だけじゃなくて、音や光、誰かの気配――
そういう環境の変化って、想像以上にストレスになるんだよね。
特に、眠れない夜って、心まで落ち込んじゃう。

そうそう…
「病気」よりも「入院生活」に心が削られてた気がする。
でも、その中で気づいたこともたくさんあったよ。
誰かの声が聞こえてくることで、かえって安心したりね。

大部屋の良さ、だね。
たしかにひとりじゃないって、時には心の支えになる。
そして最後は、ちゃんと「自分の希望を伝える」ことが大事って学びもあったし。

うん。
わがままかな?って思ったことでも、
言ってみたら、意外と受け入れてもらえた。
それって、少し勇気がいるけど、自分の心と体を守るために必要なことなんだね。

ほんとに。
入院って、「体を治す」だけじゃなくて、
「気づく」ことや「学ぶ」こともあるんだなって、ねこやんの話を聞いて改めて感じたよ。
体のしんどさや、眠れない夜、正直結構しんどかったけど、
それでも、色々なことと向き合い、受け入れ、だんだん元気になっていく自分を感じる日々でした。
病気って、ただ薬を飲むだけでは前に進みにくいこともあると、私は感じました。
気持ちの持ち方や、周囲の環境――いろんなことが重なって、ようやく前に進めるものなんですね。
次回は、「自己免疫性肝炎⑤(退院)」です。
退院のこと、そして、その後の生活について書いてみようと思います。
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